ナイン
あだち充
タッチ以前にも野球恋愛マンガというジャンルを徐々に作り上げていたあだち充の秀作「ナイン」。他の作品に比べ、主人公がいるものの群像劇の趣きが強いのが特徴です。元中学陸上短距離記録保持者、元中学柔道県大会個人優勝者、元全国中学野球優勝投手、の３人の男子が同じ高校に入学し野球部員になり、そこにお決まりの美人で清楚なマネージャーがいて、その恋敵に活発な女の子が登場して、というこの５人の恋愛ストーリー。もちろん、甲子園というテーマはありますが、ひたすら努力して甲子園を目指すというよりは、サブテーマ扱いであくまで、恋模様を描くスタイルです。タッチ以前のあだち充の代表作と言っていいでしょうね。