Book`s Page 3

のだめカンタービレ
二ノ宮和子


クラシック音楽、音楽大学生活などを題材としたマンガで近年稀にみる音楽系ヒット作です。指揮者志望の「千秋」とピアニスト志望の「のだめ」のダブル主役。クラシック音楽というと真面目、根暗、マニアックと言った部分を思い起こす人も多いかもしれませんが、このマンガではそういう部分の誤解を解くが如く、明るく天真爛漫でその中に音楽へ向き合う真剣さや情熱を感じられる非常に完成度の高いストーリー展開です。海外へ音楽留学していく部分を見てもかなりの取材と考証をしたと考えられて二ノ宮和子先生の熱い思い入れを感じます。クラシック特有の楽譜の重要性という部分には、アドリブの自由や定説を覆す演奏を受け入れていたり、クラシック音楽の真の懐の深さを表現していて、クラシック音楽への世間の理解が広がり、深まるきっかけとなっていると感じます。