ミステリアン
西岸良平
西岸良平の異色作「ミステリアン」です。西岸良平の代表作と言えば「三丁目の夕日」「鎌倉物語」ですが正直、その２つ以外の作品はすべて異色作と位置付けていいくらいの独自世界観です。ミステリアンは、地球に密かに来る宇宙人（ミステリアン）の話です。知力、体力、全てにおいて地球人より圧倒的な能力の高さを持っていて、何をやっても地球人より遥かに力を発揮するのですが、地球病と言われるいわゆる欲望（酒・女・金・SEX）に耐性が無く、この病気に侵されると自分がミステリアンだということを忘れてしまう。という、強さと弱さの両面が一触即発の状態で地球に住んでいるという設定。この設定から地球の問題点や人間の問題点にコミカルに切り込んでいる作品です。まさに西岸良平にしか描けない世界観です。ちょっとエッチなシーンもあるので子供には薦めらませんが、大人が読むには、かなりレベルの高い作品と言えます。