中国からの贈り物
若者たち
2000年に放送されたドキュメンタリーシリーズ「中国からの贈り物」から第二弾「若者たち」です。「小さな留学生」と同じく張麗玲（ちょうれいれい）の映像記録から編集された中国人留学生のドキュメントです。こちらは日本の大学合格を目指す２人の若者にスポットを当ててのドキュメンタリーです。一人目は妻子を中国に残し単身日本留学を決意する当時26歳の韓さん。父親は中国共産党の幹部で中国ではいわゆるエリート階級、その生活が一転、東京で風呂無しアパートに住み、毎日アルバイトをしながら、明治大学に合格するまでの話です。印象的なのは日本に来たばかりの頃は余裕が無く途方に暮れている姿が、苦労を重ね勉強に励む中で、人として一皮むけていく人生観です。異国で学ぶことによる人間的成長をたった一年という期間で遂げるのは異国に住んだことのある人であれば大いに共感できる部分です。二人目は伯母さんの家で世話になりながら千葉大学合格を目指す19歳の王さん。まだまだ少女の雰囲気が残る女の子で初めての異国に泣いてばかりの日々、それでも勉強とアルバイトに励み、異国で立派な女性に成長していく姿を映し出しています。同い年の女の子が遊んでいる中、牛丼屋などでアルバイトと勉強の日々、遊びたい盛りの年頃に人と違う人生を歩むことで急激に成長していく姿とその決意には美しさすら感じます。