野村ノート
野村克也 著
伝説のプロ野球選手にしてID野球の先駆者、数多の弱小球団を率いて強豪球団に作り替えていく野村克也が執筆した本です。野村克也の本ですから当然、テーマは野球なのですが、単なるスポーツ学に収まらない、野村流の哲学、組織論、人間論が満載の本です。聞いた話によると、数多くの元プロ野球選手がいますが、野村克也の講演は別格に面白いというほど、非常にユニークで奥深い思考を持っている人物です。この本の中でも野球選手に対して、社会人としての心得こそが大切だということを説き、また体力勝負だけではない、頭脳による野球の新解釈など、弱い者が強い者に勝つための思考を余すところなく書いています。現在の野球哲学もその土台は野村が作ったと言っても過言ではないでしょう。それだけに大人が今後の仕事や人生について考える良いきっかけになる本です。