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荒野の少年イサム


明治維新の頃、日本の武士がアメリカに渡り、インディアンとの間に出来た子供がアメリカ西部で凄腕ガンマンになるストーリーです。赤ん坊の頃に母と死別、父とも生き別れになります。その後、アウトローのウィンゲート親子に拾われ育てられるのですが、銃の腕を4~5歳くらいでスパルタ的な鍛えられる姿が時代を感じますね。主人公のイサムは正義感が強くアウトローの世界から抜け出すのですが、最後にその育ての親との対決で見せる葛藤なども見所です。随所に人種差別への警笛があり、ビッグストーンという黒人のアウトローなども出てくるというなかなかの意欲作。巨人の星などに代表される「川崎のぼる」の絵もいいですね。原哲夫以前は、緻密な絵と言えば川崎のぼるで決まりだと思います。特に「手」の描写は数多の漫画家の中でも圧倒的なオリジナリティだと思います。